山根口腔インプラント研究所からの伝言 No.6
山根歯科医院 院長 山根 進
インプラント体の土台とかぶせ物を固定する方法としてセメント合着(永久合着と仮合着(仮着))とがあります。かぶせ物の破折たとえば、セラミックの破折などかぶせ物のトラブルが発生すると、永久合着の場合、かぶせ物を切断してはずさなければなりません。そして、最初からかぶせ物を作りなおすことになります。
インプラント体は1,2本の場合、苦労はありませんが、インプラント体が5,6本になると取り外すだけでも数時間かかり、さらに多くの製作時間を必要とします。しかし、かぶせ物が外れやすい場合、例えば対合歯との関係でインプラント体の土台を低くしなければならない場合は永久合着します。そういう場合に仮合着(仮着)すると、何度もすぐ外れて、結局、永久合着になることもあります。仮合着(仮着)と言っても、インプラント土台とかぶせ物が非常に密着しているとはずれないことがあります。
しかし、そのまま、永久合着として利用できます。完全に取り外しが簡単で可能な方法としてネジ止めがあります。これはいつでも取り外せるという利便はすぐれています。しかし、ネジが勝手にゆるんだり、ネジが折れたりすることもあります。また、ネジ穴がかぶせ物の咬む面にあると、審美的に劣ると同時に対合歯との接触点が取れない場合もできます。
いづれにしても永久合着にするか、仮合着(仮着)にするか、それともネジ止めにするかは症例によって選択が異なりますし、患者様と相談して決めたいと思います。
インプラント体とかぶせ物の固定方法 |
セメント合着(永久合着)、セメント合着(仮合着(仮着))、ネジ止め |