山根口腔インプラント研究所からの伝言 No.18
医療法人社団 山根歯科医院
理事長 山根 進
理事長 山根 進
インプラント手術をする場合に、私たちが最重要視するのは、インプラントを埋入するのに必要な骨量であります。我々が一番信頼しているのは 従来からある自分の既存骨であり、既存骨の骨量(幅と高さ)十分があれば、インプラント治療はほとんど成功いたします。
しかし、現実的には, 歯周病疾患等で歯を喪失した場合、骨の高さがあっても幅がない、幅はあるが、高さがない。また高さも幅もないなどの症例が多く見受けられます。
この場合、骨内に埋入するインプラント体の直径と長さを選択して、さらに埋入方向を考慮してインプラント手術をおこないます。
しかし、既存骨 が多く不足しており、このままではインプラント治療ができないときは 骨移植または骨補填材を充填して骨量を増やします。
これらには、一長一 短があります。骨移植は他の部位から骨を採取しておこなうために、新たな手術を必要としますし。また、時間が経過するとともに吸収し、移植した骨量の70%くらいに減少することもあります。
骨補填材には非吸収性と吸収性のものがあります。
非吸収性の問題は確かに補填材を埋入したそ の周囲に骨は増生されますが、数年経過すると、骨補填材の周囲が結合組 織に移行、感染をおこし、除去する症例もあります。
次に、吸収性の問題 は、骨増生の速度と骨補填材の吸収速度が一致すれば、一番よい訳ですが、なかなか難しいです。吸収速度が遅く、しかも数年後には骨に替わっていることが骨補填材としてはよいわけであります。我々は症例によって、骨移植にするか、骨補填材を使用するかを決めており、その折は必ず患者様と相談して決めたいと思っています。
既存骨 | 骨移植 | 骨補填剤 |