山根口腔インプラント研究所からの伝言 No.19
医療法人社団 山根歯科医院
理事長 山根 進
理事長 山根 進
口腔内にはいろいろな細菌がすんでおり、集落を形成しております。しかも、集落を形成している場所によって、細菌の種類も変化しております。
歯の表面には細菌の固まりがバイオフィルムで覆われております。歯と歯 肉の溝には空気を好まない細菌が増加しており、舌の表面にも別の細菌が多く存在しています。類粘膜にも細菌が常在しており、細菌バイオフィルムが存在しています。
これら口腔内の多くの細菌が毒性をほとんど持たず、状況の変化によって、弱毒性をしめすことがあり、内因感染症を引き起こす原因になっています。虫歯やそれに続発する歯髄炎、歯性感染症、歯周疾患がひきおこされることがあります。
また、抗生物質の投与によって常在菌が死んで、非感受性の細菌が繁殖し、菌交代現象をおこし、あらたな疾患をおこすこともあります。
高齢で寝たきりなどの体全体の抵抗力が 弱くなると、外部からの細菌によって院内感染をおこすこともあります。 この内因感染症と院内感染を防ぐためには口腔清掃が一番大事であります。
我々は虫歯、歯周病になりやすい歯牙と歯肉の境目すなわち、溝を清掃することを目的にブラッシングをしています。補助用具として、歯間ブ ラシ、フロスの使用を勧めますが、電動歯ブラシの使用もお勧めします。歯堀除去の効率がよく、毎日4分間と決めて清掃が可能であるということです。
あと、口腔洗口液を勧めます。口腔洗口剤を使用することによって歯ブラシで、十分清掃できなかったところの細菌のバイオフィルムを破壊して、舌、類粘膜を含めた口腔全体を清掃してくれます。
口腔清掃をすることはインプラントの寿命を長くするとともに、歯の寿命も長くし、人生 の寿命を長引かせることが可能であるとおもいます。
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