山根口腔インプラント研究所からの伝言 No.27
理事長 山根 進
インプラント治療は歯のないところにチタン製の人工歯根を顎骨に埋め込み、それを支台とした上部構造を作製し、噛み合わせを再現する治療であります。
観血的処置として、インプラント埋入手術をおこなう必要があります。インプラント治療をする前に、問診、血圧検査、CT検査を含めたインプラント治療が可能かどうかの検査をおこないます。その時、必ず血圧測定も行います。また、手術中は生体管理モニターで血圧、脈拍等を管理しながらインプラント手術をおこなっています。
一般的に最高血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、最低血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上を高血圧といわれています。
手術時、普段血圧の高い患者様はさらに血圧が上がり、めまい、動悸、発汗、頭痛、吐き気、嘔吐などが生じることがあります。当院では、手術前の最高血圧160mmHg以上の場合は、内科受診を患者様に進めます。
血圧は年齢と共に上がる傾向にあり、常日頃から気おつけておく必要があります。それから、老人になると若者に比べて、緊張、恐怖、疼痛に敏感になり、血圧が急に高くなる傾向にあります。
以前若い頃、インプラント手術をしたときは正常の血圧であり、今回あらたにインプラントするにあたり、血圧の状態を聞くと、家でいつも朝血圧を測定すると、正常であるといわれました。しかし、診療室の椅子に座ると、血圧がなにもしないのに、200mmHgちかく上がりました。日にちを変えても同じでした。
普通、診療室の椅子にすわるだけで、緊張して血圧が10〜20mmHg上がる人はいますが、200mmHgまで上がる人はほとんどいません。
当院では最高血圧が160mmHg以下であれば、インプラント手術をおこないます。しかし160mmHg以上の場合、内科の先生と十分相談の上、手術中止か、薬の投与または静脈鎮静法により、血圧を安定させて手術をおこなうことにしています。
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