「サンデーうべ」掲載 医療クエスチョン? No.6
Q.インプラント 体は現在チタン製品が主
インプラント材料としての必要な性質は細胞毒性、アレルギー、発がん性がないこと、機械的強度が修復部位の組織と等しく、口腔内組織と接着することであり、それに加えて成形性、審美性が要求されます。
多くの研究者によって、金属、プラスチック、セラミックが開発されてきましたが、インプラント体は純チタンが主流になってきております。ただ、純チタンは機械的強度がやや弱く、強くするためにアルミナやジルコニアとのチタン合金が使用されることもあります。
インプラント体の表面性状をどうするかが研究の課題になっています。
表面が荒いほうが、骨との接着が良いことがかわっているので、インプラントの表面を酸エッチングするか、アパタイトをコーティングするか、放電加工するかチタン酸化膜を厚くするかいろいろなことが試みられ、骨との接合接着(オッセオインテグレーション)を早期に確実に獲得することが求められています。
インプラント体を埋入すると同時に周囲の骨の吸収がおこり、それと同時に新生骨増加し、オッセオインテグレーションが獲得されます。表面性状のいかんによって、時間の短縮が可能になり、即日インプラントも可能になります。抜歯窩に即時インプラントも可能でありますが、それはあくまで、抜歯窩周囲の骨組織が十分残存しており、インプラント体の固定が保たれる場合です。もし、骨がなければ、骨移植等の増殖処置が必要になってきます。インプラントは骨のあるところのみに可能であります。
山根歯科医院 院長
山根 進
「サンデーうべ 掲載(平成21年10月20日)」